社労士試験の思い出④暗記編
こんにちは、KOMODA LAW OFFICE 社労士の木貞です。
前回に引き続き社労士受験2年目の勉強法についてお話しをします。
勉強のルールとして以下の3つを決めたことをお伝えしました。
②暗記方法の工夫
③脳のメカニズムに合わせたスケジュール
前回のブログで①のお話しをしましたので、今回のブログでは②の解説をさせていただきますね。
私も多くの受験生と同じように、授業やテキストでのインプット、答練や模試などのアウトプットなどを経験してきましたが、今回のブログがもしかしたら他の受験生と異なるところ、独自とも言えるようなところではないかなと思いますので、参考になれば嬉しいです。
②暗記方法の工夫 =記憶するためのインプットパターンの複数化
突然ですが、私は「暗記は芸術作品」だと考えています。
作者の感情を音楽や絵などに形を変えたものが芸術作品であり、触れた人の心に何かしらのインパクトを与え、心にずっと残り続けます。
暗記も全く同じだと考えています。
インパクト、感情、イメージ、リズム、ギャップなどの要素を織り交ぜ、心に響き頭に焼き付くような暗記ネタが仕上がれば、精度が高まり、試験中に頭が勝手に思い出してくれるようになります。
その暗記のネタ帳を受験生の時に作っていましたので、その中から印象に残る作品をいくつかご紹介しますね。
複数ある事項の頭文字だけで文章を作るパターンがあります。
予備校講師に教えてもらったのが「勝つべしジュリイ」
「沢田研二は歌手として頑張ったんだから、何もかも勝っているべきだし応援したい」と言う気持ちを文章に込めたものだと思われます。
これは、割増賃金の計算の基礎から除外する賃金「家族、通勤、別居、子女教育、住宅手当、臨時の賃金、1カ月を超える期間ごとに支払う賃金」のそれぞれの言葉の頭を取って「勝つべしジュリイ」という文章を作る方法です。
これも色々と独自に作り出しました。
厚生年金の脱退一時金の計算式を覚えようとした時のものです。
「だっぺいし‼」そのものに意味はなく、志村けんの「だっふんだ‼」という意味のないフレーズをアレンジしたものです。
正直なところ美しくはなく芸術点は低めですが、とにかく勢いで覚えようという気合の入った作品には仕上がっています。
厚生年金基金の合併、分割、解散には代議員の4分の3以上の多数決で議決し、大臣の認可が必要ということをダジャレ風にしたものですが、行き場のない怒りが伝わってくる作品に仕上がっています。
怒りの気持ちに暗記すべき事項を4つも織り交ぜるという点でかなり芸術点は高いと言えそうです。
(果たしてこんなことまで覚える必要があったのか疑問は残りますが…)
遺族厚生年金と遺族共済年金の併給調整の暗記法です。
試験中に「あのページのあの部分に答えが書いてあるんだけど、そこになんて書いてあったか思い出せない」という場面に出くわしたことがありませんか?
そんなピンチの時に、もしそのページにヒントとなりそうなイラストが描いてあったとしたら思い出せそうな気がしませんか?
その人間の右脳の特性を活かした作品です。
理屈とか意味が全くわからないけど絶対に覚えなければならない時に役に立ちます。
「2階の窓2つに洗濯(選択)物が干してあって、左下の窓には人生の教訓『今日(共済)を生きろ』的な何かが書いてあったな。」と思い出せればあとは何とかなります。
もしここに記載している以上の細かいことを問われた時はスッパリ諦めるだけです笑
高年齢雇用継続給付の支給限度額を覚えようとしていますが、数字の語呂合わせと下手くそなイラストを組み合わせることで、忘れたくても忘れられない作品に仕上がっています。
全く美しくなく芸術点は低いですが、効果は抜群です。
ただ、社労士試験は数字を覚えることが多く、上記のような語呂合わせだけでは対応できなかったのでもう1パターン用意しました。
それがこれです!
「1」がア行、「2」がカ行、「3」がサ行と続いていき、最後「0」は「ワ」場合によっては「ン」に変換するという方法で、「文字変換法」というネーミングだったような気がします。
例えば、21という数字を覚えなければならない時に「2」→カ行のカ~コの中から一つチョイス、次に「1」→ア行のア~オの中から一つチョイスします。
「カオ(顔)」という単語でもいいし、「コイ(恋or鯉)」でもOK、述語にするなら「カウ(買う)」「カエル(帰る)」でもOKです。
この方法は色々な単語に変換が可能なため、暗記ネタの仕込みにかなり重宝しました。
では実際にそれを活用した実例を紹介します。
当時は雇用保険の基本手当の所定給付日数を覚えておくと必ず1点は取れる問題が出題されていましたので、上記の方法を使って全て暗記しました。
その中で特定受給資格者の算定基礎期間5年以上10年未満の給付日数を「文字変換法」を使って覚えた方法を紹介します。
覚えるのは、180日、240日、180日、180日、120日、これをこの順番に暗記するのですが、まず「0」は覚える必要がないので、「18」「24」「18」「18」「12」に絞ります。
それを「文字変換法」で文章に仕上げたのがこれです。
イメージとしては「浜崎あゆみと松浦亜弥のえくぼは松本伊代のえくぼより可愛い」という感じです。
本当にそうなのかはその人の感性によるのでしょうが「きっとそうなのだろう」と思いこむことが大事です。
そして心地よいリズムになるように工夫しましたので、俳句のような美しさもあります。
あとはひたすらこの文章を声に出して読むことで頭に刷り込み、試験の時にこの文章を頭から引っ張り出してきて数字に変換し直すだけです。
コツとしては、できるだけ下ネタを入れたり、おバカな内容にしたり、SNSに投稿すると炎上するくらいの過激な内容にするなど、忘れたくても忘れられない状態に仕上げることです(良いか悪いかは別として…)
そのため私の当時のネタ帳はとても人に見せられる内容ではありません笑
ただ、「どうやったら試験当日に確実に思い出せるか?」を本気で突き詰めていったらこうなってしまったという感じで、最初から狙ってやっていたわけではありません。
ただ、文章を作るのは楽しかったですし、芸術的な作品に仕上がった時は感動すらした記憶があります。
ちょっとした遊び心も必要ですよね!
とは言え「全てを暗記に頼るのは危険」という意見もあります。
確かに仕組みの意図や意味を理解することは大事ですし、私も当然理解を深める努力はしました。
ですが、「落ちたらどうしよう」「苦手な分野が出たら嫌だな」という気持ちを払拭するための一つの手段として徹底的に暗記することは悪いことではないと私は考えています。
「俺は他の受験生より絶対に覚えている!そしていつでも思い出せる!」「暗記したとこ、出てこいや!」という自信に満ちたメンタルになっていることは、試験を乗り切るうえでとても大事なことであることは社労士受験を経験した方ならご理解頂けると思います。
そのおかげで試験本番直前も試験中も直後も「俺は絶対に合格する!」「俺が不合格ならば受験者全員不合格だ!」というくらいまでメンタルが高まっており、試験に対してとても良い心理状態で向き合えたと思っています。
とは言え、のちに基準点に満たない科目が発覚し、合格発表まで苦悩する日々が待っているわけなのですが笑
ということで、次回は脳のメカニズムに合わせた勉強スケジュール法についてお話ししていきますね。