医療保険ってなに?③

医療保険ってなに?③

 

今までの解説で、医療費の3割程度を負担することで、医療サービスを受けることができることはご理解いただけたかと思います。

一方で、
「3割だけの負担であっても、手術などで医療費がたくさんかかってしまったら相当な医療費を支払わないといけないのではないか?たくさん費用がかかったらどうしよう?」
という不安を感じてしまう方もいらっしゃるかと思います。

そんな不安を解消してくれるのが「高額療養費制度」です。

70歳未満の方の区分

(平成27年1月診療分から)

所得区分 自己負担限度額 多数該当 ※2
①区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)
(報酬月額81万円以上の方)
252,600円+(総医療費 ※1-842,000円)✕1% 140,100円
②区分イ
(標準報酬月額53万円~79万円の方)
(報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方)
167,400円+(総医療費 ※1-558,000円)✕1% 93,000円
③区分ウ
(標準報酬月額28万円~50万円の方)
(報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方)
80,100円+(総医療費 ※1-267,000円)✕1% 44,400円
④区分エ
(標準報酬月額26万円以下の方)
(報酬月額27万円未満の方)
57,600円 44,400円
⑤区分オ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者等)
35,400円 24,600円

※1 総医療費とは保険適用される診療費用の総額(10割)です。
※2 診療を受けた月以前の1年間に、3ヶ月以上の高額医療費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合には、4ヶ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。
注)「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。

 


上記が制度の概要です。
例えば、お給料が20万くらいの方であれば④の区分に該当しますので、月の医療費の負担額がマックスで57,600円となります。

お給料が30万くらいの方の総医療費(自己負担額3割を含む医療費の総額=10割)が50万だったとしたら
80,100円+(500,000―267,000)×1%ですので、82,430円の負担だけです。

なんと素晴らしい制度なのでしょう!
「できるだけ医療費の負担が増えないよう応援しますよ」という姿勢には本当に感謝です。

ちなみに、基本は窓口で3割負担して、事後申請することで差額が返金されます。

なお、事前に医療費が高額になることが分かっているのであれば、「限度額適用認定証」をいうのを予め発行してもらっておけば、事後申請をわざわざする必要はありません。

この「限度額適用認定証」がよく利用される場面というのは、入院して手術することが前から予め分かっているケースや、女性が出産において帝王切開する場合が多いです。
(普通分娩は出産一時金で医療費をカバーしてくれますが、帝王切開の場合は「病気」という位置づけになるため高額医療費で対応することになります)

このように、日本の医療保険制度を学んでいくと、非常に恵まれていることを感じます。

医療保険のお世話にならないで健康に生活できることが一番ですが、このような制度があることを知っているだけでも、万が一の事態に対して必要以上に不安を感じなくてよくなりますね。

 

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