社員の定着に欠かせないのは『承認』です①

社員の定着に欠かせないのは『承認』です①

先日、ある経営者団体から、経営者向けに研修をして欲しいと依頼されました。

その経営者団体は、「理念」を大切にし、「人を活かす経営」にこだわり、社員を大事にしています。

ただ、理念を社員に浸透させることに急ぎ過ぎたり、社員が豊かな人生を送れるようにするために経営数字に拘り過ぎたりと、一面的な大局観にとらわれてしまい、目の前の今を生きている社員を大切にすることを疎かにしているのではないかという不安もあったようです。

もちろん、経営において「理念の実現」と「利益の追求」は両輪であり、とても大切なことです。
ただ、一人の人間として、相対する社員に対して「大事な何か」を見落としているのではないかと不安になることもしばしばあったようです。

「大事な何か」ってなに?
それはきっと目の前の社員さんを「人」として見ることなのだと思います。
えてして、気づかないうちに「人」を「物」として見ているときがあります。
「あいつがいるから上手くいかない」
という原因として捉えるレベルの話もあれば
「ここにあの人が座っているから遠回りしないといけない」
という障害物として捉えるレベルまであります。

これはついついやってしまう癖や習慣のようなものだったりします。
この癖や習慣を変えていくための方法の一つが「承認」をすることです。

ということで、「承認セミナー」を経営者団体で実施してきました。
ワークを行う中で経営者同士がお互いを褒め合って承認し合う姿は微笑ましくもありました。
「承認の言葉をもらうと悪い気はしないね。私のことを承認してくれた相手のことが急に愛おしくなってドキドキしたよ笑。普段から意識して周りの人を承認していきたいね」こんな感想もいただきました。

では「承認」って何でしょう?
有名な「承認」として、小泉純一郎元総理大臣の言葉があります。
時は2001年、大相撲の優勝決定戦で貴乃花が横綱武蔵丸を下し優勝を果たした時の話です。貴乃花は前日の取組で右足を負傷していたのですが気迫の上手投げで武蔵丸に勝利しました。
その時に小泉総理が貴乃花にかけた言葉が「痛みに耐えてよく頑張った!私は感動した!」
これは記憶に残っている方もたくさんいると思います。
この言葉は多くの感動を呼び、今でも語り継がれていますが、まさにこれが「承認」です。

小泉元総理の話でおおよそのイメージが掴めたと思いますが、「承認」を言語化するならば「相手が気付かない優れた能力、資質、業績(貢献)、成長、可能性などについて、その事実を本人に伝え、自覚させる」ということになります。
つまり「相手の状態を知る」+「相手に伝える」+「相手に自覚させる」という3つの行動の足し算です。
ただし、相手を相当注意深く観察しないと「相手の状態を知る」ことができません。
「相手に伝える」ためには相手に伝えたいという気持ちがないと行動できません。
「相手に自覚させる」ためには誇張や統制の要素を排除しなければいけません。

つまり、相手への感度を高め、相手に愛情を持ち、見返りを求めない言葉をかけるという、言わば最上級のおもてなしのようなものです。

自分にとって相手が「物」の状態だとなかなかできないことですが、承認を意識して行うことで、相手を「人」として見る状況が強制的に生まれます。

私もいつでも承認を意識できているわけではありませんし、忘れていることもあります。
ただ、1日の中に「ありがとう」と言う機会が何回かあるのですが、その時に承認の意識が呼び起こされるようになりました。
まあ、上手く伝えられているかは微妙だったりしますが、意識することが大事だと思っていますので、そんな自分を「承認」しています笑。
ぜひ皆さんも「承認」を普段の生活の中で意識して取り組んでみましょう!

ところでこの「承認」、経営の中で意識して取り組んでいくと実はとても良い効果があることが実験で検証されているんです。
なんと、社員の満足度が上がり、職場への定着が促されるのです!

それについては次回のブログで詳しく解説していきますね!

 

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