コーチングってなに?⑤

労務コラム

コーチングってなに?⑤

前回はコーチングの型についてお話しさせていただきました。
前回の記事はこちらから:コーチングってなに?④
今回はコーチングを進めていく上で大切になる「質問の仕方」についてお話しさせていただきます。

前回説明したコーチングの型に沿って進めていくことで、相談者は自身の課題を解決するための条件を整理することが可能になります。
その中で、もっと深く具体的なところまで入り込んでいくために色々な質問を投げかけていくことになります。
ただし質問の方向が間違っていると、不要な誤解を生んだり、誘導尋問のようになってコミュニケーションがギクシャクしたりします。
また、相手の思考回路にコーチが巻き込まれ、堂々巡りすることもあります。

質問の仕方

短時間で、スムーズにゴールに到着するために、どんな点を工夫すれば良いのでしょうか?
それは次の4つです。

①未来思考で
コーチングは解決策を導き出すことが目的であって、誰かを責めることが目的ではありません。
そのため、問題点の追求に深入りせず、原因を確認する程度に留め、「どんな条件が揃えば解決できるだろうか?」という方向に意識を向けてみましょう。

②行動に焦点をあてる
感情や価値観に焦点をあてて議論すると空転するおそれがあります。
あくまで「期待する結果をもたらすための行動」に焦点をあてて、何ができるか考えてもらいましょう。

③制約条件・しがらみを外す
誰しも自分のことは客観的に考えにくいものです。
無意識のうちに制約をつけ、しがらみに縛られた発想をすることがあります。
それを解除してあげることで自由なアイデアが生まれます。
そのためには「効果的でイメージしやすい『もし?』」を投げかけてあげましょう。

④「思い込み」と「事実」を区別する
冷静な判断ができるよう、相手の「思い込み」と「事実」を整理してあげましょう。
「高すぎますね」「みんながそう言っています」「トラブルが起きました」など、その人の思い込みや主観で言っているに過ぎないケースも多々あります。

効果的な質問の投げかけ

では次に、具体的にどのような質問を投げかけると効果的なのかについてお話しをします。
相手が自分の枠組みの中だけで発想しているとき、あなたが予想だにしないところから質問することで、ハッと気付き、大胆な挑戦を思いつくこともあります。
このような効果的な質問はとっさに思いつかないこともあるので、予め次のような質問を用意しておきましょう。

コーチングってなに?⑤

①発想の枠組み・視野を広げたいとき
・30年後にはどうなっていたいですか?
・30年後のあなたが今のあなたを見たら、どう思いますか?
・それを点数にしたら100点満点中の何点ですか?
・それをやる際にサポートしてもらうとしたら、誰がいますか?
・あなたが私だったら、どうアドバイスしますか?
・このチャンスがあなたの成長にどう影響を及ぼすと考えられますか?
・そのチャレンジを難なくやりとげてられる人は、世の中にいると思いますか?

②行動を後押ししたいとき
・このままだと今月末で会社が倒産すると判明したら何をしますか?
・寿命があと1年しかないとしたら、何をしますか?
・どういう条件が揃えばやりますか?
・今回と違う分野で、過去に同じくらい困難なハードルを克服したことがありますか?
・今の延長線上で3年後、どうなっていると思いますか?

③制約条件から解放させてあげたいとき
・絶対に失敗しないと分かっていたら、何をしたいですか?
・宝くじで3億円当たったら、何に使いたいですか?
・お金のために働かなくて良いとしたら、何をしますか?
・その状況は、あなたが本当に望んでいるものですか?

④短時間で要点を把握したいとき
・1分間でそのことについて簡潔に話をしていただけますか?
・「それを一言で言うと?」「それにタイトルをつけると?」

⑤アイデアの妥当性を確認したいとき
・どうしてそのように考えられましたか?
・と言いますと?
・もしそれをすると、どんな良いことがありそうですか?

全6回に渡ってコーチングについてお話しをさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?
スポーツでも試験でトレーニングが必要なように、コーチングもトレーニングが必要です。

コーチングってなに?⑤

初めてコーチングにチャレンジしても中々上手くいくことは稀です。
仮に「コーチングが上手くできたぞ」とコーチが思っていても、相手が行動してくれなければ、それは上手くいったとは言えません。
そのため、ぜひ練習するようにして下さい。
私も月に1回、コーチングを学んでいる仲間と2時間程度練習をしています。

練習をすると、「あの時こんな質問を投げかければよかった」「もっとあのことにフォーカスして質問すればよかった」など色んな反省点が見えてくるので、実際にコーチングをする時にその反省が活かすことができます。
なにより相手から「相談したらスッキリした!」と言われたら、とても嬉しい気持になります。
ぜひ皆さんもコーチングを学び、多くの方の良き相談相手、理解者、伴走者となって影響力を拡げていって欲しいなと思います。
 

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