「経営理念ってなに?④~バリュー編~」
前回は「ビジョン」についてお伝えしました。
前回の記事はこちら:経営理念ってなに?③~ビジョン編~
今回は「バリュー」について書きたいと思います。
経営理念の要素
①ミッション
②ビジョン
③バリュー
バリューと聞くと何を思い浮かべますか?
私は、スーパーの「マックスバリュー」、マクドナルドの「バリューセット」なんかをイメージしますね。
バリューは「価値」や「評価」という意味で使用されますが、経営理念においてのバリューは「日々大切にしている価値観」という意味になります。
といっても、「ミッションやビジョンと何が違うの?」という感じだと思いますので、それらと比較しながら解説していきます。
前回までのブログで、独立したての社労士の例をお伝えしましたが、今回もそれを例に説明します。
「求めるニーズを的確に掴みながら、モチベーションアップに繋がる人事評価制度を構築し、働きがいのある組織風土を作るお手伝いをします」
このようなお客様への使命感を言葉にしたものがミッションです。
「社長の片腕となり信頼される社労士になる」という自分のなりたい理想の状態を言葉にしたものがビジョンになります。
ミッションを胸に抱きながら、社労士がビジョンに向かって進んでいる図ですが、その進んでいく過程において日々大切にしたい価値観のことをバリューと呼びます。
実際の現場の例をもとにお話しをします。
「働きがいのある職場風土作りのお手伝いをしながら、社長の片腕となって信頼される社労士になるぞ!」と日々頑張っていた新米社労士に、ある日お客様よりクレームの電話がありました。
思いもよらぬクレームにビックリした新米社労士が取る行動は次の3つのパターンが考えられます。
A=事実 B=思考 C=行動
① A クレーム発生→ B 俺はダメだ、嫌だ→ C 仕事を休もう
② A クレーム発生→ B お客様に申し訳ない→ C すぐに謝罪に行こう
③ A クレーム発生→ B 取引増加のチャンスだ→ C すぐに要望を聞きに行こう
①はベクトルが自分に向いています。
お客様よりも傷付いた自分の気持ちを最優先しています。
②はベクトルがお客様の現在に向いています。
お客様が今まさに感じている不快感を取り除くためにも謝罪は大事ですね。
③はベクトルがお客様の未来に向いています。
要望を聞いて何かしらの不満を解消することにより満足感が高まったり、信頼関係が深まったりすることもあるでしょう。
3つの事例で何が違うかというとBの思考部分です。
そして、Bの思考が違うことにより、Cの行動が変わります。
そのため、このBの思考の部分が大事になってくるのですが、このBの思考のことをバリューと呼びます。
皆さんも、①は好ましい思考ではないと思っている人がほとんどだと思います。
一方で、②か③が望ましいと感じているのではないでしょうか。
では、②と③どちらがお好みですか?
それを決めて言葉にしたものがバリューです。
「私たちは物事をネガティブに捉え、お客様より自分のことを優先します」というバリューであれば①を
「私たちはお客様の気持ちを感じ取り、気持ちよいお付き合いを心がけます」というバリューであれば②を
「私たちはお客様の言葉に耳を傾け、常によりよいサービスを提供し続けます」というバリューであれば③を選択することになるでしょう。
皆さんは、どのバリューが自分の価値観に近いですか?
さて、ここまでのお話しを通じて、何となくバリューがどんなものかお分かりいただいたのではないかと思いますが、バリューという概念をより具体的に言葉で表現するならば、「日々の仕事において、どのように考え、どのように行動すべきか、望ましい思考、考え方、物事の捉え方、行動を具体的に言語化したもの」このように表現することができます。
次回はバリューについて、もう少し掘り下げて考えてみたいと思いますので、次回もお楽しみに♪
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